今年も暑い季節がやってきました。
年々暑くなる日本の夏は、もはや不快を通り越して命の危険すら感じることもあるほどです。
そこで心配になるのが熱中症です。特に高齢者の熱中症は毎年メディアでも取り上げられるほど多いです。
ご家族や身近にいらっしゃる高齢の方は、きちんと対策をしていらっしゃるでしょうか?
今回は高齢者の熱中症対策についてお伝えしたいと思います。
熱中症を防ぐためには高齢者に合わせた対策を
夏になると「暑い、暑い」と口癖のように言っていた祖母。
ある猛暑の日、食事の準備が出来たので呼びに行くと、なんと祖母は暖房の効いた部屋で昼寝をしていたーーー。
これは以前、私が経験した実体験です。
慌てて窓を全開にし、エアコンを冷房に切り替えました。
祖母に熱中症の症状はありませんでしたが、もし誰も気付かなかったら…と思うと今でも怖くなります。
どうやら祖母は暑いと感じてエアコンを使ったものの、操作を間違ってしまい暖房を付けてしまったようなのです。
しかしながら全く涼しくならないどころか暑くなっている部屋で平然としていられる感覚が恐ろしいですよね。
(本人は道理で涼しくない訳だ、と言っていました。。。)
祖母の例は極端すぎるかと思いますが、暑さの感じ方は高齢の方とそうでない方では異なってしまうそうです。
メディアなどで様々な熱中症対策が取り上げられていますが、私たちが行う対策よりも、
ご高齢の方に対してはもう少し踏み込んで工夫をしていく必要があります。
熱中症になってしまう高齢者が多い原因は?
私たちの身体は年齢を重ねて歳をとるにつれて、様々な機能が衰えていきます。
体温調節をする機能が衰えてくると、暑いと思っていても、その暑さの程度が分かりにくくなってくるのだそうです。
私の祖母の場合は正にこのような状態なのでした。
身体から熱を逃がす機能も衰えてしまうので、どんどん熱を貯めてしまい重症化に繋がってしまうのです。
また水分補給に関しても同様です。
ご高齢の方は体内の水分量が減少していることもあり、そもそも脱水症状を引き起こしやすい状態なのです。
それに加えて脱水気味になっていたとしても、身体の感知する機能が衰えてしまっているので、
自ら水分補給をするといった行動に繋がりにくくなってしまうのです。
こうした積み重ねが起きてしまうことで、より重症化してしまうのです。
それではご高齢の方の熱中症はどのように対策をしたら良いのでしょうか?
熱中症を予防するため高齢者を持つ家族ができること
まず基本的なことですが、室内にいる際は冷房器具を使用しましょう。
熱中症の危険が高まる条件は、高い気温・高い湿度・風がないということです。
高温→エアコンを使用する
エアコンを使用する際は設定温度は28度程度にし、直接エアコンの風が身体に当たらないように風向きを設定しましょう。
エアコンの風が直接当たってしまうと身体が冷えてしまい、逆に寒さで体調を崩してしまう可能性があります。
なので部屋の空気をかき回してくれる扇風機の併用がおすすめです。
ちなみにエアコンの操作が不安…といった方には、各メーカーから出ている「かんたんリモコン」の使用をおすすめします。
最近のエアコンは様々な機能が着いているが故に、文字が小さく操作のしづらいリモコンも多いです。
かんたんリモコンであればボタン数も少なく文字も大きいので、不馴れな方にも比較的使いやすいのではないでしょうか?
多湿→除湿器などを使用する
高い湿度には、除湿器などを使用しましょう。
あまり気温の高くない日でも、湿度が高ければ熱中症になる危険は大きいです。
これは湿度が高いと汗の蒸発が起きにくくなり、熱を体外へ逃がしづらくなるためです。
天気予報でも地域ごとの湿度が何%かを発表していますが、周辺の地形や部屋の環境によっても差が出てきますので、今自分のいる場所が何%なのかを計って判断することが大切です。
定期的な水分補給を
こまめな水分補給も大切です。
喉が乾いたときに飲むのはもちろんですが、喉の乾きに気づかないという場合もありますので、
時間を決めて定期的に補給をするようにしましょう。
また食事に水分量の多い野菜や果物を意識して摂ることも効果的です。
普段から熱中症を意識できるようにする
先ほどお伝えしたように、そもそも高齢の方は身体の機能低下により熱中症の危険に気付きにくくなってしまっています。
ですので、日頃から意識できるような対策を心がける必要があります。
★温度・湿度計を設置する
何度以上になったらエアコンを着けるなど、体感ではなく具体的な数字で判断するようにする。
★水分補給する時間を音などで知らせる
忘れていても思い出せるように、アラームなどで気付けるようにする。
★熱中症の危険性を理解してもらう
家族で話し合ったり、テレビなどの熱中症対策特集などを一緒に見る。
一昔前の日本の夏はエアコンが無くても乗りきれる暑さだったので、高齢の方は昨今の酷暑でも我慢をしてしまう場合があります。
近年の夏は冷房器具がないと命に関わるレベルだということを理解してもらいましょう。
まとめ
熱中症はとても危険であるのに、最近の夏の暑さでは誰もが掛かりうる病気です。
特に高齢者はなってしまう確率が高いので、ご本人だけでなくご家族などの周囲の人が気を付けることも大切です。
熱中症対策について、ぜひ一度ご家族などで話し合ってみてくださいね。