習字の筆と言えば、こんな経験はありませんか?
習字を習っている方でしっかりと筆を洗っているはずなのに
「あれ?気づいたら根元が墨でガチガチに…」ですとか
子どもが学校で使っている習字セットを開けてみたら墨でカチコチになった筆が出てきた!
子どもに聞いたら「先生が筆は洗うなって言ってたよ」とのこと。
こんな筆じゃ字なんてかけないのでは…?など。
今回はその様にカチコチになってしまった筆や、使い終わった際の筆の洗い方についてをご紹介します。
習字で使った筆は洗うべき!
作品を書いて使い終わった筆は必ず洗いましょう。
墨を洗い流さずに放置してしまうと、筆は固まってしまいます。
固まってしまった筆では作品も思うように書けませんし、手や硯に押し付けて無理やりほぐししてしまうと傷む原因になります。
師範の方などで時折洗わないという方がいらっしゃいますが、
それは筆立てなどに入れて、常に乾かないようにして使用しているからです。
ですので筆入れなどを使用しない場合や、そうでなくても次に筆を使うまで日数が経ってしまう場合はやはり洗いましょう。
丁寧に洗ってあげることで、筆も長持ちします。
筆を洗う際は、水道などの流水で洗うことがベストです。
穂先を下にして持った状態から、少し傾けて筆の柄の部分に流水を当てます。
このとき、筆の毛の部分には水が当たらないようにします。毛に直接流水を当ててしまうと割れる原因になるからです。
そして人差し指と親指の腹で、ギュッと墨を押し出すようにして洗っていきます。
とは言っても、筆を洗う間ずっと水を出しっぱなしにしては水道代が気になりますよね^^;
そんな時はバケツに水を溜めてその中で洗いましょう。
方法は同じで、水の中で人差し指と親指の腹で押して洗います。
水が真っ黒になったらその都度交換をしましょう。
さてどのくらい洗うのかですが、私の先生の場合はほぼ完全に墨がなくなるまで洗っているそうです!
筆の大きさにもよりますが、半紙書きに使う筆で時間にして20分~30分ほどと聞いたことがあります。
本来ならばそのぐらい時間をかけて綺麗にしてあげるのが好ましいですが
指で押したときに、墨がほぼほぼ出てこなくなったかなと感じるくらいでも大丈夫でしょう。
その理由は洗い終わった後の乾かし方にあるのですが、それについては後述します。
洗い終わったら筆の毛の部分を雑巾で包むようにして持ち、軽く握って水分をとります。
そしてその状態からすっと筆を引き抜きます。柄と毛の部分が水平になるように筆を整えてあげましょう。
ちなみに私は、使い古したタオルを習字専用の雑巾として再利用しています。
雑巾が一枚あると万が一墨を零してしまったり、指に墨が付いた時に拭えたりと便利ですし、
洗った筆や硯の水気を取る際にも重宝します。
習字の筆の乾かし方はこう
洗い終わった筆は筆巻きや道具箱の中へしまってしまいがちですが、それはNGです。
折角丁寧に洗っても、完全に乾いていない筆をそのまましまってしまうとカビが生えたりと傷みの原因になります。
洗い終わった筆は、穂先を下にして吊るし直射日光の当たらない場所で乾かしましょう。
筆掛けがあると机の上などにも置けるので便利ですが、無くても大丈夫です。
実際私も持っていませんし、あまり筆の本数を持っていないのであれば無理に買う必要はないでしょう。
ちなみに私はいつもハンガーに吊るしています。
柄の頭の部分(または筆を掛ける為に付いている紐)を洗濯バサミで固定して、バランスが取れる位置で吊るします。
またハンガーですと使い終わった雑巾も一緒に干しておけるので便利です。
筆が乾いてくると洗いきれなかった墨が穂先へ集まってきますので、もう一度前述した洗い方で洗いましょう。
こうすることで、より良い状態で筆を保つことができます。
習字の筆が墨で固まるまで放置してしまったら
次は墨で固まってしまった筆の手入れ方法です。
固まった筆は、軽症であれば毛の部分をぬるま湯にしばらくつけておくと墨が溶けて柔らかくなります。
柔らかくなったら丁寧に洗ってあげましょう。
それでも改善できないほど重症になってしまった場合は、熱湯につけてしばらく置きましょう。
やや荒業になりますが、ぬるま湯で治らないほど悪化してしまった筆はこれで改善することがあります。
ですが、まずは筆が固まってしまわないように日ごろからの手入れを心がけましょう。
とは言うものの、使い終わった筆をすぐに洗えない状況もあったりしますよね。
私が小学生の頃は、書写の授業で使った筆は学校で洗ってはいけないという決まりがありました。
(時間の関係なのか、水道代の関係なのかは分かりませんが・・・)
そんな時はラップをちぎって、道具箱へ入れておくと便利です。
筆を使い終わったら毛の部分をラップで巻いて、なるべく空気に触れないようにします。
そうすると半日ほどは全く筆が固まることなく維持できますので、持ち帰った後はなるべく早めに洗いましょう。
まとめ
どんなに良い道具を使っても、技術が無ければ良い字は書けません。
しかしながらどんなに優れた技術があっても、道具の手入れを怠っていてはこれもまた良い字は書けません。
お教室に通って字の書き方を習うことも大事ですが、筆のお手入れも欠かさずにしましょう。
それもまた、良い字が書けるようになるための一歩です。